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第1回 文化財科学研究発表会 【@東京藝大】 [文化財]

2018年10月28日に第一回文化財科学研究発表会〜文化財科学を学ぶ学生の合同研究発表会〜が東京藝術大学で開催されました。これは学生の交流を目的としたもので、どんな研究をやっているのかを知ってもらうことにより、情報の交換やネットワークができればと考えています。
今回は第一回目ということで、東京藝大、東京学芸大、そして筑波大から院生の発表がありました。
大学によって研究の個性があり、つくばの学生さんたちにもいい刺激になったようです。

会は一般にも公開自由で、65名の参加がありました。

また投票で優秀発表を選び、当ゼミの深見さんと芸大の大迫さんが受賞しました。

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2017年7月1日-2日 学会発表・文化財保存修復学会【金沢】 [文化財]

学生、卒業生らと学会発表に行ってきました。
今年はこれまでいろいろとデータが出揃ってきているので多くの発表となりました。
学生らにとって研究の成果の発表は最初は緊張するものですが、いろんな方からコメントをいただくことができ、有意義な学会となったようです。

今回関わった発表は次の通りです。
①大規模災害時における市町村間の文化財レスキューの取り組み―東日本大震災における岩手県の活動事例から― 森谷 朱(筑波大学大学院、現 東北歴史博物館)、松井 敏也
②各種現像方法別ジアゾタイプ複写物から発生する揮発性物質の比較 佐竹尚子、松井敏也
③津波により被災した鯨と海の科学館(岩手県山田町)収蔵資料の安定化処理 河﨑衣美(筑波大学[現 奈良県立橿原考古学研究所])、松井敏也(筑波大学) 、川向聖子(山田町教育委員会)、 湊 敏、道又 純(鯨と海の科学館)
④乾燥方法・災害種別の異なる被災水損資料の揮発成分について  及川規(東北歴史博物館),○芳賀文絵(東北歴史博物館),松井敏也,河﨑衣美(筑波大学 現 奈良県立橿原考古学研究所),天野真志(東北大学),栗原駿一(日本無機(株)), 伏見拓朗((株)クマヒラ)
⑤熊本地震における御船町田中憲一作品群のレスキューと安定化作業への取り組み  松井敏也、井上正敏(熊本県立美術館)、岩井希久子(有) IWAI ART 保存修復研究所)、岩井貴愛(有) IWAI ART 保存修復研究所)

また来年成果が積み重なるよう頑張ります。

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河﨑さん
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森谷さん
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松井

2017年6月29日 東京湾要塞遺跡の調査【猿島・千代ヶ崎、横須賀市】 [文化財]

横須賀市の猿島、千代ヶ崎に調査に行ってきました。
ここは東京湾要塞遺跡といい、明治時代に対ロシアもあって、東京湾が狭まる横須賀市と千葉の間の海峡に海堡や砲台をつくってました。
猿島は明治時代に仕事がなくなった武士のために組織された東洋組というレンガが用いられ、士族レンガと呼ばれています。
猿島は国の史跡が大部分ですが、砂浜は指定外となり、行楽客がBBQをしたり、海で遊べるようになっています。

ここでは、環境や亀裂変位、塩類の析出調査など実施しています。今後レンガ自体の調査も進めていきたいと考えています。

みなさんも船で10分でいけますから、ぜひ一度ご覧ください。

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2017年6月10−11日日本文化財科学会[東北芸術工科大学・山形] [文化財]

この週末、東北芸術工科大学で日本文化財科学会がありました。学生らも多く参加していました。また私の前任校でもあり、おおくの卒業生らと会えました。みんな元気に活躍していて、嬉しかったです。
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博士学生の周さんがポスター賞を受賞しました。我が研究室からは三年前の河﨑さんに続いて二人目です。
おめでとう!


6月8日 ハンドヘルド3Dスキャナによる碑文の調査[飯豊町] [文化財]

このブログからFacebookで投稿しても記事に反映されないとわかり、ちゃんと記事に書きます。(もしかしたら出来るかもしれませんが)
この度機会があり飯豊町で高速ハンドヘルドスキャナを使って碑文の読み取りに挑戦しました。
今回使用したのはArtec社のEVAとスパイダー。軽くてひじょうにはやい。
1.5m×1mの面積を10分もかからずスキャン。データも処理も早く非常に満足する結果。
できればけんきゅうsに備えたいけど高い?

何がどのようにみえたかは、データの処理が終わったらご報告します。

2016年11月28日‐30日 戸森の線刻画の保存【鹿児島県徳之島天城町】 [文化財]

28日から徳之島に来ています。さすが南国で暖かい。
ここでは線刻画の保存処理のお手伝いをしています。当初凝集力の無くなった石材を強化する予定だけだったのですが、前回の調査でほぼ全面が微生物で覆われていることが分かり、そのクリーニング法の検討です。
クリーニングにはブラシなどを用いた物理的なクリーニングが一般的ですが、線刻画の部分だけはブラシでこすると岩が弱いので線刻の凹凸をなくしてしまう恐れがあることがわかり、今回はケミカルな方法で除去することになりました。
また一部で剥離が進んでいる箇所については強化処置を実施し、経過を観察します。

来年か再来年には微生物もなくなっていると思うので、線刻表面を強化する計画で進めていくことになりました。

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ハブが出そうな現場
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県の専門家と一緒に調査しています
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いろんな微生物がいるので、様々なクリーニング法を試行中

2016年11月6日-19日 ナスカ地上絵の保存[ペルー] [文化財]

9か月ぶりにナスカに行ってきました。これまでの3回はスペイン語を喋れる学生やスタッフと一緒だったんですが、今回は一人で現地入りでした。
現地ではいま新しく見つかった地上絵の保護に取り組んでいます。新しく見つかった地上絵はパッと見てもわかりにくいため、ちゃんとした整備をしなければかく乱されてしまう恐れがあります。そこで周辺の整備を進めることと、地上絵を認識できるようにすることが求められています。周辺の整備については現地の文化省スタッフによりプランが練られ、進んでいるのですが、地上絵をどのように視認性を上げるのかが課題です。まだ発見されたばかりなのでその調査も進んでいないため、無理にクリーニングするとその価値を損なってしまう可能性もあります。そこでいま遺跡の周辺で保護の試験を開始しています。

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新しく見つかった地上絵のエリアを示す看板
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その見物するための東屋
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ここに数頭のリャマが・・・ いるはず。
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遺跡から見る夕日

2016年10月20-25日 麦積山と西北大学シンポジウム[中国甘粛省と陝西省] [文化財]

久しぶりのブログの更新です。いまは11月ですが
10月に麦積山に調査と西北大学でのシンポジウムに参加してきました。
麦積山石窟芸術研究所とは共同研究を実施しており、今回はその打ち合わせとプレ調査として蛍光エックス線分析を持参してきました。
この4月から中国に帰っていた李暁溪さんとも再開することもでき、楽しかったです。
麦積山では国立民族学博物館の末森氏とも一緒でして、彼とともに今後の共同研究の内容について話し合いしてきました。また、いくつかの石窟で蛍光エックス線分析による調査をスタートさせました。ゼミ生が年始から現地にインターンとして入り、その分析と成果をまとめます。いまから結果が楽しみです。

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 蛍光エックス線分析による彩色顔料の調査
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多くのギャラリーに囲まれています。
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打ち合わせの様子
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暁溪さん、周さんら西北大コンビ

2016年8月17-22日 バイヨン寺院【カンボジア・アンコール遺跡群】 [文化財]

ここ数年は我々の評価に適した12月に行くことが多かったのですが、久しぶりに雨季のアンコール遺跡に行ってきました。2007年から実施している浮彫の保存科学調査ですが、いま試験施工をやっています。雨季における状態を見れればと思ったのですが、雨に遭遇せず・・・降雨時の状態を確認できず仕舞いとなりました。
ただ、観光客や自然環境の影響に関するデータ収集やいくつかのサンプリングも実施でき、主たる目的は遂行できました。
現地では東京農工大の片山先生や香港大学Gu先生らと一緒となり、微生物に関していろいろとご教示いただけました。いただいたコメントを次の調査に活かしたいと思います。

次の調査は12月19日から10日間くらい予定しています。

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内回廊から中央塔を望む
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雨はさらっと、ほんとうにさらっとだけ降り、おかげで湿度が増しました。
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現場では整備が進んでいます。
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ちょうど列柱の上部を積みなおしており、観光客が足を止めてみていました。



2016年8月4日 彩色顔料「白」の正体を突き止めよう【リケジョサイエンス@筑波大】 [文化財]

今日は大学で行われるリケジョサイエンスに昨年に引き続いて研究室として企画をしまたー!
今年はちょっと絵画よりにして、顔料の湿式分析による同定を行いました。そんなに派手ではないですがきれいな結晶ができあがります。
研究員の河崎さんはじめゼミ生の女性陣が中心となり、中高生を受け入れました。
午前に高校生、午後に中学生が未知資料の白色顔料を薬品で溶かしながら正体を突き止めました。分析の後は、実際に油と混ぜての絵の具作りも体験してもらい、炭酸カルシウムや石膏が発色しにくいことなども確認できたようです。リケジョだけに理科に興味がある生徒さんたちで絵画はちょっとイメージしにくかったようですが、みんな長時間顕微鏡やピペットなどを用いて奮闘していました。
 手伝ってくれたゼミ生たちも準備から手伝ってくれました。自分たちでやるのと教えるのは勝手が違っていて、いい経験になったかもしれません。
また、自分たちですべて用意してくれました。本当にご苦労様でした。

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河崎さんのイントロダクション
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顕微鏡で結晶の観察。このあと撮影し、お土産に結晶の写真を持って帰ってもらいました。やっぱり鉛白を溶かしてできる樹状が一番人気?
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こちらは絵の具づくり。屈折率の話も理解できたかな・・・?
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