2016年7月19日 石の講習会【八街市・千葉県】 [文化財]
平成28年度第2回印旛地区文化財行政担当者連絡協議会研修会に講師としていってまいりました。テーマは「石造文化財における保存・強化処理等について」。
地域の文化財関係者の方々が来てくださり、石造文化財の実践的な話を聞いていただけました。
前回、もう5年近く前ですがいちど石造物の保存についてお話したこともあり、
今回はクリーニング手法や強化についてよりテクニカルな部分を中心に実演交えてお話しできました。
ちょっとこちらの段取りが悪くうまくいかなかった部分もありましたが
石の保存についてちょっとでも身近に思っていただけるとうれしく思います。
クリーニングの実演
地域の文化財関係者の方々が来てくださり、石造文化財の実践的な話を聞いていただけました。
前回、もう5年近く前ですがいちど石造物の保存についてお話したこともあり、
今回はクリーニング手法や強化についてよりテクニカルな部分を中心に実演交えてお話しできました。
ちょっとこちらの段取りが悪くうまくいかなかった部分もありましたが
石の保存についてちょっとでも身近に思っていただけるとうれしく思います。
クリーニングの実演
2016年7月16日 石造物の処置【飯豊町 山形県】 [文化財]
熊本からつくばへ戻りすぐ山形へ。
昨年から手にかけている石造物の処置に飯豊に行ってきました。
昨年は表面のクリーニングを主に行いましたが、今年は強化や接合などを実施する予定です。
保存処置はその方法を立てることよりも、やはり対象物(今回は石)と向き合って、手をかけていくところが一番むつかしいと感じます。
対象物の分析や状態調査を担当者に伝えるだけではなく、自分でその処置をすることをできるだけ心がけています。
地元出身の著名なお医者さんの碑
これを保護しようとされる担当者からはじまりのお話を聞いて、いろんな方がいろんなアプローチでこういった碑と関わってるんだなぁと実感
山の上の馬頭観音碑。クマが出るから鈴とラジオを持っていきますからと担当者の方が言ってたのに、現場に着くと肝心の鈴とラジオを忘れていることが発覚。飯豊に来るたびに保険の必要性を感じる。
割れた部分。
とりあえず位置決め。次回接合します!!
昨年から手にかけている石造物の処置に飯豊に行ってきました。
昨年は表面のクリーニングを主に行いましたが、今年は強化や接合などを実施する予定です。
保存処置はその方法を立てることよりも、やはり対象物(今回は石)と向き合って、手をかけていくところが一番むつかしいと感じます。
対象物の分析や状態調査を担当者に伝えるだけではなく、自分でその処置をすることをできるだけ心がけています。
地元出身の著名なお医者さんの碑
これを保護しようとされる担当者からはじまりのお話を聞いて、いろんな方がいろんなアプローチでこういった碑と関わってるんだなぁと実感
山の上の馬頭観音碑。クマが出るから鈴とラジオを持っていきますからと担当者の方が言ってたのに、現場に着くと肝心の鈴とラジオを忘れていることが発覚。飯豊に来るたびに保険の必要性を感じる。
割れた部分。
とりあえず位置決め。次回接合します!!
2016年6月17-18日 富岡製糸場で礎石調査【群馬県 富岡市】 [文化財]
2016年6月4-5日 日本文化財科学会 学会発表【奈良大学】 [文化財]
年に一度の日本文化財科学会大会が奈良大学でありました。
今年は研究室から2件の発表があり、
「アンコール遺跡バイヨン寺院浮き彫りの保存材料に関する研究(4)〜選定処理剤の現場施工について〜
Study on the Conservation Materials for Bas Relief of Bayon temple in Angkor Site (4)
」
と「石造文化遺産の着生地衣類が生成する石材溶解成分の分布に関する研究 A study on the distribution of stone dissolved components generated from epiphytic lichens of stone cultural heritage」
でした。
二つとも対象はいま取り組んでいるアンコールバイヨン寺院での成果です。
口頭は一度にたくさんの方に聞いていただけるメリットがありますが
質疑の時間が少ないので深まった時間ができません。その点、後者はポスターセッションだったので両日で延べ2時間以上の時間があり、いろんな方から意見をもらうことができました。
今回の学会ではワーキンググループや企業セミナーなど新しい取り組みがありました。
まだ熟していないですが、だんだんと成長していったらいいなと思っています。
さて、来年は何件発表がでるでしょうか? やはり単に学会に参加するよりも発表したほうがいろんな刺激が生まれるので
できれば院生はみんなやってほしいなぁ~
今年は研究室から2件の発表があり、
「アンコール遺跡バイヨン寺院浮き彫りの保存材料に関する研究(4)〜選定処理剤の現場施工について〜
Study on the Conservation Materials for Bas Relief of Bayon temple in Angkor Site (4)
」
と「石造文化遺産の着生地衣類が生成する石材溶解成分の分布に関する研究 A study on the distribution of stone dissolved components generated from epiphytic lichens of stone cultural heritage」
でした。
二つとも対象はいま取り組んでいるアンコールバイヨン寺院での成果です。
口頭は一度にたくさんの方に聞いていただけるメリットがありますが
質疑の時間が少ないので深まった時間ができません。その点、後者はポスターセッションだったので両日で延べ2時間以上の時間があり、いろんな方から意見をもらうことができました。
今回の学会ではワーキンググループや企業セミナーなど新しい取り組みがありました。
まだ熟していないですが、だんだんと成長していったらいいなと思っています。
さて、来年は何件発表がでるでしょうか? やはり単に学会に参加するよりも発表したほうがいろんな刺激が生まれるので
できれば院生はみんなやってほしいなぁ~
2016年4月28-5月2日 バイヨン寺院浮彫の保存【アンコール遺跡・カンボジア】 [文化財]
GW前半はバイヨン寺院に行ってきました。
毎年雨季の前に試験個所のデータ取りに行っています。いつもはGW明けに1泊3日でのデータ採取が多かったのですが、今回は3泊して、浮き彫りの状態調査もさることながら、浮き彫りの勉強もかねて行ってまいりました。
現地でガイドの方の説明を改めて受け、その歴史を再認識するとともに、建築様式についても学びなおすいい機会となりました。
特に、今回はアンコール遺跡群の中でも初期にあたるロリュオス遺跡群を訪問しました。
たぶん何回か行っているはずなんですが、新鮮でした。
いま、現地にゼミ生が滞在し調査を行っております。そちらも元気そうでよかったです。
次は8月!雨季真っただ中!
バイヨンの尊顔を久しぶりにまじまじと観察。
現地のガイドさんの説明によると、右端の顔は”京唄子”をモチーフにしたとのこと。
言われてみてビックリ!
正面の参道も整備が終わり、すっきりしています。
ロリュオスのプリヤ・コー
レンガに砂岩がはめ込まれています。
ペガサス?
毎年雨季の前に試験個所のデータ取りに行っています。いつもはGW明けに1泊3日でのデータ採取が多かったのですが、今回は3泊して、浮き彫りの状態調査もさることながら、浮き彫りの勉強もかねて行ってまいりました。
現地でガイドの方の説明を改めて受け、その歴史を再認識するとともに、建築様式についても学びなおすいい機会となりました。
特に、今回はアンコール遺跡群の中でも初期にあたるロリュオス遺跡群を訪問しました。
たぶん何回か行っているはずなんですが、新鮮でした。
いま、現地にゼミ生が滞在し調査を行っております。そちらも元気そうでよかったです。
次は8月!雨季真っただ中!
バイヨンの尊顔を久しぶりにまじまじと観察。
現地のガイドさんの説明によると、右端の顔は”京唄子”をモチーフにしたとのこと。
言われてみてビックリ!
正面の参道も整備が終わり、すっきりしています。
ロリュオスのプリヤ・コー
レンガに砂岩がはめ込まれています。
ペガサス?
2016年4月23日 世界遺産の修復ワークショップ【筑波大学・キッズユニバーシティ】 [文化財]
今日は大学の企画でキッズユニバーシティというものに参加。
世界遺産専攻として修復のワークショップを保存科学研究室で催しました。
テーマはレンガの修復材料を作ってみよう ということで、レンガの粉末を用いた修復材を作りました。昨日まで岩手県に出張だったこともあり、準備のすべては院生任せ。M2の主導のもと4月に入った新入生も大活躍してくれました。
おかげさまで大入りとなり、ちびっ子と大人で百名近くの訪問がありました。
子どもらは粘土で慣れているのか、非常に上手でした。
修復材料の作成以外にも、顕微鏡でシルク製品や壁画を見たり、また宝珠やパピルスの展示、UVランプや照度計などの計測機器を使っての測定など いろいろと楽しんでもらえたみたいです。子供らがコネコネしているあいだに付き添いの大人の方たちには世界遺産専攻をパネル展示で紹介しました。
朝から一日大変でしたが、手伝ってくれた学生の皆さん、ありがとう!
またやりますかっ!?
出張も可?
みんなよく話を聞いてくれます
みんなで模擬レンガ造り
会場の様子
世界遺産専攻として修復のワークショップを保存科学研究室で催しました。
テーマはレンガの修復材料を作ってみよう ということで、レンガの粉末を用いた修復材を作りました。昨日まで岩手県に出張だったこともあり、準備のすべては院生任せ。M2の主導のもと4月に入った新入生も大活躍してくれました。
おかげさまで大入りとなり、ちびっ子と大人で百名近くの訪問がありました。
子どもらは粘土で慣れているのか、非常に上手でした。
修復材料の作成以外にも、顕微鏡でシルク製品や壁画を見たり、また宝珠やパピルスの展示、UVランプや照度計などの計測機器を使っての測定など いろいろと楽しんでもらえたみたいです。子供らがコネコネしているあいだに付き添いの大人の方たちには世界遺産専攻をパネル展示で紹介しました。
朝から一日大変でしたが、手伝ってくれた学生の皆さん、ありがとう!
またやりますかっ!?
出張も可?
みんなよく話を聞いてくれます
みんなで模擬レンガ造り
会場の様子
4月15日行列の具合【那須野が原博物館】 [文化財]
2016年3月28日 窯跡の保存【小牧市、春日井市・愛知県】 [文化財]
今日は場所を小牧、春日井市に移し、窯跡の保存の調査に行ってきました。
小牧市の篠岡古窯跡群は天窓からの明かりも降り注ぎ、着生微生物やカビも見当たらず
いい状態です。一見地面につながっているようにみえますが、底部はコンクリートで縁切りされ、水は遮断されています。換気扇もあるのですが、4か所のガラリで十分換気できているようでした。(この時期だからなのかはわかりません)
やっぱり水の影響は大きい。。。
春日井市の下原古窯跡群はまだ本格的な整備がなされていませんが、保存処理が行われています。処理剤はいくつか使われていますが、中米や中国で試験成果が出ている薬剤を試行いただいており、湿潤かつ粉状化が進む箇所の劣化抑制に効果がありそうです。光量子量を抑制できれば、いいのですが。
こちらは小牧市篠岡古窯跡の展示施設
天窓からの外光がいいように降り注ぎ、いい展示施設でした。
こちらは春日井市・下原古窯跡群です。
残念ながら常時公開はしていないようです。
小牧市の篠岡古窯跡群は天窓からの明かりも降り注ぎ、着生微生物やカビも見当たらず
いい状態です。一見地面につながっているようにみえますが、底部はコンクリートで縁切りされ、水は遮断されています。換気扇もあるのですが、4か所のガラリで十分換気できているようでした。(この時期だからなのかはわかりません)
やっぱり水の影響は大きい。。。
春日井市の下原古窯跡群はまだ本格的な整備がなされていませんが、保存処理が行われています。処理剤はいくつか使われていますが、中米や中国で試験成果が出ている薬剤を試行いただいており、湿潤かつ粉状化が進む箇所の劣化抑制に効果がありそうです。光量子量を抑制できれば、いいのですが。
こちらは小牧市篠岡古窯跡の展示施設
天窓からの外光がいいように降り注ぎ、いい展示施設でした。
こちらは春日井市・下原古窯跡群です。
残念ながら常時公開はしていないようです。
2016年3月27日 学会発表(周さん)@木材学会【愛知県名古屋】 [文化財]
2016年3月22日 昆明・歴史的町並み【中国・雲南】 [文化財]
昆明での最終日の夕方は市中心部の歴史的町並みを散策しました。
大規模に区画整理が始まっており、これらの歴史的建造物をどうやって街中で整備活用するのか方針がさだなっていないようです。
雲南での代表的な観光地ではおなじような土産物屋が並んでいましたが
ここもそうなってしまうのでしょうか。
露店では雲南らしいおみやげがありましたが、
そのまま残ってほしいですね。
夜はシャーリンピンの「シャングリア」を観劇しました。
5月には東京のbunkamuraでも公演するそうです。
雲南の少数民族をモチーフしており土地につながっている民族の匂いがしました。
雲南の文化庁
歴史的建造物がポツンポツンと残っています。すぐ横には若者向けのショッピングモールがあります。
「シャングリア」
大規模に区画整理が始まっており、これらの歴史的建造物をどうやって街中で整備活用するのか方針がさだなっていないようです。
雲南での代表的な観光地ではおなじような土産物屋が並んでいましたが
ここもそうなってしまうのでしょうか。
露店では雲南らしいおみやげがありましたが、
そのまま残ってほしいですね。
夜はシャーリンピンの「シャングリア」を観劇しました。
5月には東京のbunkamuraでも公演するそうです。
雲南の少数民族をモチーフしており土地につながっている民族の匂いがしました。
雲南の文化庁
歴史的建造物がポツンポツンと残っています。すぐ横には若者向けのショッピングモールがあります。
「シャングリア」