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2015年12月22日 鹿児島城石垣の調査 [文化財]

今日は鹿児島城石垣整備の検討委員会で暖かい鹿児島です。
あわせて一軸圧縮強度試験と帯磁率の調査も行いました。石垣は溶結凝灰岩で、比較的空隙が多く、表面には降灰堆積物が見られたりしますが、洗浄すると表面は硬質です。ただし内部や一部では土壌化が進み、柔らかくなっていました。
整備では江戸時代全般、幕末、西南戦争、太平洋戦争各時代の痕跡が残り歴史の重層性が良く現れています。砲撃や機銃によると思われる弾痕やその破片が石に埋まって見つかっています。 一軸圧縮は岩石の劣化評価としてよく知られています。 石垣は修復時期がいろいろあり、その積み方からも時代考証がなされていますが、 帯磁率を使って識別ができないか試みました。 (知り合いの産総研の長氏の報告では金沢城でうまく識別できてるようです) image.jpeg
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コメント 4

長秋雄

金沢城に続いて、高岡城石垣と富山城石垣に使われた花崗岩と安山岩の採石地推定でも帯磁率は有効でした。

お手伝いできることがあれば、ご連絡ください。
by 長秋雄 (2016-10-09 18:29) 

松井敏也(MATSUI Toshiya)

ご無沙汰しております。石垣の時代区分の知見になると思い、すでに金沢城のレポートを担当者にお見せして紹介しておりました。整備がメインで当分はむつかしいですが、今後何か動きがあればよろしくお願いします。

松井敏也

by 松井敏也(MATSUI Toshiya) (2016-11-23 19:38) 

長秋雄

金沢城・高岡城・富山城に続き、小松城石垣の調査を始めました。小松城の東~南東の丘陵に分布する凝灰岩が使われています。結果は、(定年退職する)2017年度内にGSJ地質ニュースに報告します。

拙稿「古代常陸国からの石材利用の歴史-国衙があった石岡市(旧石岡市と旧八郷町)を例に-」を掲載した、GSJ地質ニュース2017年7月号がWeb公開されました。常陸国分僧寺の礎石(斑れい岩)の採石地について帯磁率ヒストグラムでの考察も行いました。
by 長秋雄 (2017-07-20 07:27) 

長秋雄

石川県小松市にある「小松城本丸櫓台石垣」(市指定文化財)と同市に分布する凝灰岩の帯磁率測定結果を報告した、拙稿「小松市の文化と産業を支えた凝灰岩とその帯磁率」が、GSJ地質ニュース2018年2月号に掲載されます(2月中旬にWeb発行)。ご参考になれば幸いです。
by 長秋雄 (2018-02-03 11:45) 

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